CASE STUDY

メール to kintone通知メール・Webフォーム

増え続ける反響管理をkintoneで一元化

反響チャネルが増えるほど、対応は複雑に。kintoneで入口をひとつに束ね、対応漏れゼロへ。

株式会社マエダハウジングホールディングス

業種
総合ハウジング事業
ご担当者
販促企画室 課長 原田 愛子 様
公開日
2025/12/6

お問い合わせのチャネルが急増し、反響管理が複雑化している住宅・リフォーム業界。

マエダハウジングでは、HPフォーム、AI電話(IVRy)、フリーダイヤルや店舗での受電など、さまざまなチャネルから反響が寄せられています。

そこで同社が選んだのが kintoneアプリでの一元管理とデータシンカーによるメール連携でした。すべての通知メールを自動でkintoneに集約し、その後の担当振り分け・管理・Chatwork通知まで一本の導線を構築。

ANDPADは「顧客と施工のマスター」として継続しkintoneは「柔軟性を持つ補完基盤」として役割を定義。異なるシステムをつなぎ、運用の中心線をつくり出したのがデータシンカーです。

取材では、経営本部 販促企画室 課長の原田様に、導入前の課題、導入後の手応え、そして今後の展望を伺いました。

広島の総合住宅企業が進める 現場DX と情報一元化

広島県で創業30年以上、累計34,000件を超える住まいづくりを担ってきたマエダハウジング。リフォーム・リノベーションを中心に、不動産・新築・アフターサービスまで提供する地域密着の総合住宅企業です。広島県総合リフォーム業で12年連続売上No.1を誇ります。

同社は経営理念の実現のために DXを経営の重要テーマとして位置づけています。

“しあわせな暮らしと笑顔あふれる広島をつくるために、現場DX・営業DX・マネジメントDXを実現し、生産性を高め、働きやすく働きがいのある企業へ進化する”

この方針のもと、同社ではkintoneを中心に業務システムの最適化を進め「業務システムの全体最適化」「データドリブン経営」の実現を目指しています。

その中でも、事業運営の要となるのが、お客様からの“反響(問い合わせ・コンバージョン)情報”をどう受け止め、どう現場へつなぐか。DXの核心にある“情報の一元化”が求められる領域でした。

課題:反響の入口増加に伴い、全体を追いきれない状態に

「反響(お客様からの問い合わせなどのリード情報)の流入元は、ホームページと電話が中心ですが、ホームページが9サイトあることの煩雑さと、ホームプロなどのポータルサイトなど多岐に渡ります。」取材の冒頭、原田さんはそう振り返ってくれました。

マエダハウジングでは現在、反響の入口が次のように多岐にわたります。

  • HP問い合わせフォーム(9サイト)

  • ポータルサイト

  • AI電話(IVRy)

  • 問い合わせ電話

一つひとつは顧客との接点である重要なチャネルですが、その結果、反響がバラバラに飛び込む状態になっていました。

「どこで誰が受けた問い合わせなのか。

チャットは流れていくし、メールは担当者の受信箱に溜まるし…。

未対応の追跡が本部で追いきれなかったんです。」

対応漏れを防ぐには、“すべてをひとつに集約する器” が必要でした。

バラバラの通知メールをkintoneへ統合

反響情報を「kintoneで一元管理する」方針は決まっていました。
しかし課題は、形式も内容もバラバラな通知を、どうやって確実にkintoneへ集約するかという点でした。

そこで導入されたのが、通知メールを解析してkintoneに自動登録する連携サービス「データシンカー for kintone」です。

データシンカーは、届いたメールの内容を自動で解析し、すべての問い合わせをkintoneの反響アプリへ正確に登録します。通知元が異なっていても、すべてを“メール”という共通フォーマットで受け取れるため、反響の散在を一気に解消できました。

集約された反響チャネル

  • HPフォーム・ポータルサイト → 通知メール → 自動登録

  • AI電話(IVRy) → 着信メール → 自動登録

  • 各店舗の受電 → 手動登録

「通知の形式が違っても、全部kintoneに入る。

“メール”という共通フォーマットで受けられるのがありがたいですね。」

反響結果が、散在する状態から“すべてがkintoneに集まる”運用へ転換しました。

kintone上で担当割当 → Chatworkへ通知

反響が集まった後に重要なのは、誰が対応するかの割り当て管理です。

マエダハウジングでは、kintoneで本部が担当店舗に割り振り、その結果をChatworkへ自動通知する運用に統一しました。

「通知は日ごろ使い慣れているChatworkでキャッチ。

管理はkintoneでストック。

この住み分けがすごく良かったんです。」

この仕組みで起きた変化

  • 対応状況が可視化され、対応漏れが削減

  • 休み明けでも必要な対応がリスト化されているので初動が早くなった

  • “流れるチャット”と“蓄積するkintone”を両立

現場にとっても本部にとっても、最も自然なワークフローが実現しました。

ANDPADは「現場のマスター」kintoneで「補完と一覧性」

ANDPADは、住宅リフォーム・施工管理に特化したSaaSとして、同社の現場業務を支えてきました。

  • 顧客情報のマスター

  • 施工管理

  • 工程管理

といった現場の中心線を担っています。

一方で、一覧編集や柔軟なステータス更新はANDPADが得意ではないという課題もありました。そこで同社では、一覧性・柔軟性に優れたkintoneを補完として活用し、ANDPAD(マスター)とkintone(管理性)の役割分担を明確にしています。

「ANDPADは業界特化のSaaSなので施工管理は非常に強いんですが、一覧編集が苦手なんです。

kintoneの方が柔軟で、全体を俯瞰できるんですよね。」

ANDPADは現場の情報を確実に支え、kintoneは管理面を柔軟に補完する。この役割分担が明確になったことで、運用がとてもスムーズになりました。

自社の内製力 × 外部パートナーの知見

マエダハウジングにはもともと、RPAもkintoneアプリも自社で開発してきた“内製文化”があります。そのため、業務の流れや課題を自分たちで深く理解しており、要件整理にも強みがあります。

「自分たちで作れるようになったからこそ、

課題がはっきりしていて外へ任せやすかったです。」

現在は、その内製力を生かしつつ、不動産・建築業界のDXに強い HAL.Solution株式会社(旧:さくらホームグループ株式会社 ビジネスソリューション事業部)と協働し、改善のスピードを高めています。

今回のデータシンカーによる反響データ連携の構築も、HAL.Solutionが中心となって設計・導入をサポート。同社の深い業界理解と技術力により、スムーズな移行が実現しました。

自社の課題を正しく言語化できる力と、外部の“専門的な設計力・技術力”が合わさったことで、最適な運用体制が整っています。

仕組みが整っても、最後に向き合うのは“人”

「現在、仕組み自体はほとんど整いましたが、ステータス更新が遅れたり、入力タイミングにズレが出てしまう点が課題です」と原田さんは現時点の率直な課題を語ってくれました。

これは多くのDX推進企業が直面する最後の壁でもあります。どれだけ仕組みが整っても、運用が人に依存する部分は必ず残ります。

マエダハウジングでは、部門長がこまめにフォローしながら、現場全体で少しずつ習慣化を進めているとのこと。

「システムは揃ってきているので、最後は習慣化ですね。」

ここからは、現場が新しい仕組みを自然に使いこなせるようにする“定着フェーズ”へと移っています。

導入効果まとめ

  • 反響が増えてもkintoneで一覧化できる基盤が完成

  • Chatwork通知は継続したまま、“後追い管理”をkintoneで実現

  • ANDPADとkintoneの役割分担が明確に

  • データの蓄積が進み、経営に寄与するデータ活用の下地が整った

複雑だった反響管理の導線が、kintoneとデータシンカーによって一本化され、運用が安定しました。

今後の展開──データ蓄積を活かして“見える化”をさらに進めたい

原田さんが次に見据えているのは、データ分析の高度化です。

「月ごとにどれくらいの規模の案件が来ているのか。

どのチャネルが効いているのか。

経営に向けたデータをリアルタイムに提供したいんです。」

現在は ANDPAD → Excel で資料化している部分も、kintoneへのデータ蓄積が進めば自動化が見えてきます。

※本文中に記載された会社名および製品名は、各社の登録商標または商標です。

AFTER THE INTERVIEW

取材を終えて

取材も終盤、「kintone hiveってご存じですか?」とお伝えすると、原田さんの表情がふっと変わりました。「ライブハウスでやるんですね。知りませんでした!そんな発表の場があるんですね。」

同地の広島では、焼き鳥店「炭焼 雷」さんがDX事例を発表し話題になりました(取材班も前日お伺いしました!)。

https://ascii.jp/elem/000/004/316/4316384/

現場の工夫や改善をユーザー自身が語る場は、きっとマエダハウジングの取り組みにも相性が良いはずです。「来年、聞きに行くだけでも楽しそうですね。チャレンジしてみたいです。」

現場起点のDXを着実に進めてきた同社らしい、次の一歩につながる言葉でした。

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